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書評『DIE WITH ZERO』お金を貯めるだけの人生にサヨナラしよう

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みなさんこんにちは。

今回は「お金を使う」ことに焦点を当てた書籍『DIE WITH ZERO』の紹介です。

資産形成を勧める書籍は山ほどあっても、お金を使えという書籍はまだまだ少ないですよね。この書籍には、これまで資産形成に一生懸命励んできた方に向けて「お金を使って人生を豊かにするためのメッセージ」がたくさん盛り込まれています。私も蓄えを増やすことを目標にしていますし、本書の指摘に何度もドキッとさせられました。

増えていく資産額に喜んでばかりだとついつい忘れてしまう視点があるんですよね。

やっぱりお金は使ってこそ十分に価値を引き出せるんです。

本書のテーマ:アリはいつ遊べるのか?

さて、それでは書籍の内容に触れていきます。

本書はイソップ寓話「アリとキリギリス」の紹介から始まります。

この寓話のあらすじをおさらいすると

夏の間、アリは冬の食料を蓄えるために働き、キリギリスは遊んで暮らしていました。

やがて冬が到来するとアリは生き残ることができ、キリギリスには悲惨な結末が待っていた―

というお話です。

このお話の教訓は、人生には働くべきときと遊んでもよいときがあるというもの。

私も小さい頃から知っている有名な寓話ですし、先々を見据えてまじめに働くのが正しいのだと信じてこれまで生きてきました。今もこの考えが間違っているとは思っていませんが、本書の問い掛けにはハッとさせられます。

「アリはいつ遊ぶことができるのだろう?」

アリは確かに厳しい冬を生き延びることができたかもしれません。でもその人生を楽しむことはできたのでしょうか。

準備ばかりの人生を見つめ直す

高校では大学受験の準備をして、大学では就職の準備をして、社会人になったら老後の準備をして…

私たちはあらゆるライフステージで次の舞台への準備を強いられながら生きてきました。

本書はけして全く準備をせず刹那的な生き方を勧めているわけではありません。自分の人生がまるでアリのように先々の準備にばかり偏りすぎているなら、もっといい塩梅を探し直そうと訴えているのです。

アリ型の人間はもっとキリギリスのように

仕事と遊びの最適バランスを考えよう

これが本書のメインテーマです。

経験に投資して人生を最大化する

本書で一番心に刺さったのが

人生で一番大切な仕事は思い出づくり

というフレーズでした。

人生の豊かさはこれまで積み重ねてきた経験の合計だと定義されています。この考えは自身の体感的にも深く共感できる点でした。

皆さんには思い出すだけで楽しくなってしまう体験がありますでしょうか。私にはいくつもあります。

  • 部活で汗を流した日々
  • 友人と旅行先で語り明かした夜
  • 大切な人とゆっくり海を眺めた時間

思い出や経験は一度得られると頭の中で追体験でき、株式が配当をくれるように何度でも当時のポジティブな感情を蘇らせてくれるのです。

本書ではこれを「記憶の配当」と呼んでいます。忘れがたい大切な思い出をなるべく早い時期にたくさん作ることで積み重なり、まるで雪だるまのように人生の豊かさが増していくのです。

お金の価値は加齢とともに低下する

お金を経験に投資していく際に留意しておくことがあります。それは人生のなるべく早い時期に試みるべきだということです。

想像してみてください。

25歳のときの100万円と80歳のときの100万円。額面は同じ100万円でもお金から引き出せる価値は大きく変わってきますよね。旅行一つ取って見ても、20歳では長時間の移動が大きなストレスにならず、旅行先のアクティビティも満喫できるでしょう。

では80歳ではどうか?

同じ距離の移動でも心身が感じるストレスは若い頃に比べて格段に増えているでしょうし、体力的に体験できるアクティビティも限られてくるに違いありません。

私たちは、毎年、例外なく歳を重ねていきます。老後のためと若い頃に貯蓄ばかりになってしまうと、いざ老後を迎えたとき今度は健康・体力の問題に直面してお金から十分に価値を引き出せない事態になりかねないのです。

だから本書は「経験から価値を引き出しやすい年代では、貯蓄をおさえてお金を使うべき」と説いています。

そしてそのベストタイミングは定年より前にやってきます。

やりたいことには賞味期限がある

なるべく若い頃にやりたいことをやる、この視点の大切さについて補足しておきます。

それは、やりたいことを先延ばししているといつの間にかできなくなっているケースが多いからです。

例えば、私の趣味の一つにスキューバダイビングがあります。

1年間に、2~3回は近場の海だったり沖縄など南の島に遠征したりして楽しんでいます。でも、この大好きな趣味も残念ながら生涯にわたって続けられるわけではありません。

できなくなる理由は、健康上の理由かもしれないし、金銭的な理由かもしれないし、家庭環境の変化かもしれない。

理由も分からなければ、いつできなくなるか正確な時期も分からない。でも確実にその瞬間には刻々と近づいています。

食品のようにその賞味期限が表示されていないので、見て確認することもできません。やりたいと思って計画しようとしてみたとき、初めて自分がもうそれをできない状況に置かれていることに気付くのです。

今年沖縄へ飛べたからといって、来年も飛べるとは限らない。

だから、もし今やりたいことがあってそのチャンスがあるなら、先延ばしせずにつかみ取りに行くべきなのです。

終わりを意識して生きる

「終わることばかり考えていると悲しくなる」

そう思われる方もいるかもしれません。でも本書によればそれは逆なんです。

ある実験が紹介されているのですが、人は終わりを意識すると残された時間を最大限に活用しようとする意欲が高まるとされています。

例えば、あなたがめったに会えない友人とご飯を食べているとき、一緒にいられる時間は限られているからそのひとときを大切にしようとしますよね。旅行だってしょっちゅう来られないからこそ、2泊3日を最高の時間にしようとあれこれ計画を練りますよね。

終わりを理解して過ごしていると、目の前に出来事にありがたみを感じられるようになるのです。

「ゼロで死ぬ」を目指すこと自体に価値がある

本書はとことん効率を重視した本です。

『DIE WITH ZERO』を簡単にまとめると「経験が一番大事だからお金を余すことなく経験に変えていけ」というメッセージです。お金を残すと、それを稼ぐのに費やした時間が無駄になるから、と。

経験が大事というのには深く共感していてとても興味深い書籍だったのですが、メインタイトルの「ゼロで死ね」という点についてはどうしても共感しきれないところがありました。

確かにお金は使ってこそ価値があるけれど、一方で貯めておくことで精神安定剤として活躍する面もあると思っているので。働かない老後に向かって散財していくことは、私ならきっと不安を感じるだろうと。

でも本書のあとがきにこんなフレーズを見つけたんです。

ゼロで死ぬという目標を持つこと自体が、あなたを正しい方向に導いてくれる。

あなたは、何も考えずに働き、貯蓄し、できるだけ資産を増やそうとしていたこれまでの人生を変え、できる限り最高の人生を送れるようになる。

ゼロで死ぬという目標を持つことで、人生を充実させようという意識が働くようになるからだ。

DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

ここを読んでとてもすっきりした気持ちになりました。メインタイトルの字面そのものの意味にはうなずき切れないけれど、自分の人生をもっと充実させるために思考を止めないことが大切で十分そのきっかけになった書籍であったと。

読んだ本の内容全てに共感する必要はありませんし、おそらく私は資産をゼロに持っていくような計画は立てないでしょう。

ただ、金銭面だけを理由にやりたいことを我慢する人生にはしてはいけないと心に刻み込みました。何歳になっても今このときが常に一番若いときであることを忘れず、やりたいことを探し続けチャレンジしてみる。

経験への投資を優先した結果、FIREへの到達が遅くなったとしても、人生の豊かさを向上するためには意義のあることだと思うので。

お金を貯め込み続ける人生にサヨナラ

▼私のやりたいこと

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